ジョー・ウィーダーさんを追悼する

ジョー・ウィーダーさんを追悼する


ジョー・ウィーダーさんを追悼する

3月23日、近代筋トレの父、ジョー・ウィーダーさんがお亡くなりになられました。92歳でした。マッスル・アンド・フィットネス(M&F)創刊、アーノルド・シュワルツネガー育ての親、事実上のボディビル産業の創設者でもあり、ミスター・オリンピアを主催するなど、功績はキリがありません。私もM&F日本語版創刊(当時は森永株式会社の出版でした)の1988年頃から数年間、翻訳文を書かせて頂きましたので、ウィーダー理論は非常によく理解することが出来ました。当時アメリカでは既にウィダーのトレーニング方法論は周知の事実として認識されていましたが、日本ではそれを広める媒体も人材も無かったという記憶があります。全てのトレーニング法、例えばジャイアントセット法やピラミッド法、スプリット・トレーニングなどをウィーダー氏が発明したというわけではありません。しかし、民間伝承レベルだった筋トレのコツや言い伝えなどの全てを網羅し、分かりやすい方法論にして集大成、毎月写真入りで雑誌にして出版したという功績はあまりにも大きなものがあります。
若き頃、お金の無かったウィーダー氏は雑誌を創刊するにあたり、最初に興味のありそうな人たち数十人に葉書で購読を募り、それで集まったお金でタイプライターを買い、そして自ら手書きのイラストを加えて、マッスル・アンド・フィットネスの前身にあたる記念すべき冊子・第一号を発行したのです。なんというモチベーションの塊でしょうか!どのような条件に置かれていても、熱意さえあれば、理解してくれる人、自分をありがたく思ってくれる人が現れ、夢は実現へと向かって進んでゆくのです。
アーノルド・シュワルツネガーをはじめ、多くのスターが若年時代からマッスル・アンド・フィットネスを読み、トレーニングにあけくれていました。私達もまた、そのアーノルドにあこがれ、同じように雑誌を読み、山ほどの鶏肉を食べ、何トンものプロテインを飲み、地道なトレーニングに楽しさを見出していたのです。時代は変われど、その頃の素朴な楽しさは昨日のことのように蘇ってきます。ジョー・ウィーダー氏無しには、今日のフィットネス産業、ジム産業はあり得なかったといって間違いないでしょう。ジョー・ウィーダーさん、ありがとう。RIP   堀江俊之
 



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